下痢とは
長引く下痢には精密検査を
おすすめします
下痢は、腸の機能低下により、水分量の多い便や形のない便が排出される症状です。症状が長引くと、脱水や肛門周囲の皮膚のただれなどを招くため、十分に精査した上で治療を行う必要があります。長期間下痢が続いている場合は、ぜひ一度当院までご相談ください。
こんな場合はご相談ください
- 便が水っぽい
- 嘔気や嘔吐を伴う
- 便がどろどろしている
- 腹痛もみられる
- 便の形がない
- 排便の回数が普段より多い
- 液体状の便が出る
- 下痢が長引く
主な疾患
- 感染性胃腸炎
- 過敏性腸症候群
- 潰瘍性大腸炎
- 糖尿病
- クローン病
- 甲状腺疾患
- 大腸がん
- 月経による影響
代表的な疾患
感染性胃腸炎
感染性胃腸炎は、何らかの菌やウイルスが原因で下痢や腹痛、嘔気・嘔吐、発熱などの症状がみられる病気です。治療は症状に合わせた対症療法を基本とし、嘔気や嘔吐が軽減した段階でこまめに飲水を行うことが大切です。徐々に消化の良い食べ物を摂取することを心がけると、回復しやすくなります。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は、大腸に慢性的な炎症を引き起こす原因不明の病気です。国の指定難病に定められており、長期間の治療が必要になります。主な症状は下痢や腹痛、血便、貧血、倦怠感などで、症状の悪化(再燃)と軽快(寛解)をくり返すのが特徴的です。症状をコントロールし、寛解が長く続く状態を目指します。
クローン病
クローン病は、口から肛門までの消化器官に炎症を引き起こす原因不明の病気です。潰瘍性大腸炎に同じく、国の指定難病に定められています。主な症状は下痢や腹痛、発熱、貧血、出血などで、症状の悪化(再燃)と軽快(寛解)を繰り返すのが特徴です。寛解を維持するために、症状のコントロールを目的とした治療を行います。
大腸がん
大腸がんは、大腸の粘膜ががん化する病気です。がんが進行して大きくなることで便秘や下痢、血便、腹痛、残便感などの症状が現れます。がんの部位や病状を詳しく調べるために、大腸カメラをはじめとした検査が欠かせません。早期の大腸がんであれば、内視鏡検査時に切除することもできます。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は、下痢や腹痛、便秘などの症状がみられる病気です。精密検査を受けても異常が見つからず、お腹の不調が長期間続くことで診断がつくことがあります。治療として、症状に合わせた薬物療法やストレスの軽減などを行い、つらい症状が和らぐようにアプローチしていきます。
下痢の種類
下痢の種類には、
以下のようなものがあります。
急性下痢
浸透圧性下痢
腸内に異常な浸透物質が存在することによって引き起こされます。腸内の浸透物質が多くなり、水分が腸内に引き寄せられ、便が緩くなるなどの症状が現れますが、主な原因としては未消化の糖分や塩分が考えられます。この種類の下痢は、食物不耐症や腸管感染症の一症状として現れることがあります。
分泌性下痢
腸内で異常な分泌物質が産生されることによって引き起こされます。これにより、通常よりも多くの水分と電解質が腸内に分泌され、便が緩くなります。感染症、腸内炎症、あるいは特定の薬物の副作用などが分泌性下痢の原因となります。
慢性下痢
滲出性下痢
腸管の粘膜が損傷され、血液や蛋白質などが腸内に滲み出すことによって引き起こされます。これにより、便が血や粘液で混ざり、下痢となります。滲出性下痢は、炎症性腸疾患や感染症などが原因で発生することがあります。
蠕動運動性下痢
腸の運動が促進され、便が通常よりも速い速度で腸を通過することによって引き起こされます。この過程で十分な水分が吸収されないために便が緩くなります。過敏性腸症候群や神経性下痢などが原因で発生することもあります。
下痢の検査
下痢の治療方法
薬物療法
下痢が続く場合は、症状や病気に合わせて腸の動きを抑えたり、腸への刺激を軽減したり、腸内環境を整えたりといった作用のある薬物療法を行います。ただし、感染により下痢が起きている場合は、原因となる菌やウイルスを体外に排出するために、下痢止めを使用しない場合があります。