過敏性腸症候群とは
一人ひとりに合わせた治療で
症状を和らげます
過敏性腸症候群は、下痢や腹痛、便秘などの症状をくり返す病気です。大腸カメラをはじめとした精密検査では異常が見つからず、お腹の不調が長期間続くことが特徴的です。日常生活に支障をきたしやすい病気なので、単に症状を改善するだけでなく、患者さんの生活に合わせた治療を行う必要があります。
こんな場合はご相談ください
- 腹痛をくり返す
- 下痢をくり返す
- お腹に不快感がある
- 便秘をくり返す
- お腹に違和感がある
- 下痢や便秘が交互に起きる
- 排便後症状が和らぐ
- 排便の回数に増減がある
過敏性腸症候群の原因
精神的なストレス
過敏性腸症候群は、精神的なストレスが関係していることがあります。具体的には、仕事や家庭内のトラブル、重度のプレッシャー、過重労働などにより常にストレスを感じる状況にいると、身体に異常がないにも関わらず、腹痛や下痢、便秘などの症状をくり返すことがあります。
腸の炎症性疾患
過敏性腸症候群の原因ははっきりと明らかになっていませんが、腸の炎症性疾患が過敏性腸症候群に関与している可能性は否定できません。細菌やウイルス感染などにより腸に炎症をきたすことで、腸内細菌叢に変化が起き、お腹の不調を誘発していると考えられています。
過敏性腸症候群の症状
日常生活に支障をきたす症状がみられます
過敏性腸症候群は、精神的なストレスなどが引き金となり、腹痛や便秘、下痢などの症状を引き起こします。ささいな緊張や不安がきっかけで不調が起こるため、日常生活に支障をきたしやすく、症状への不安から外出ができなくなるかたもいます。普段通りの生活を送るためにも、早めの受診が大切です。
過敏性腸症候群の検査
大腸カメラ
当院では、内視鏡検査の専門医による大腸カメラ検査を実施し、体内に明らかな病気や異常がないか丁寧に検査を行います。検査時の痛みや負担を軽減するために、眠くなる薬を注射する静脈内鎮静法を導入し、患者さんが少しでも安心して検査を受けられるように心がけています。
腹部エコー
腹部エコーは、下痢や便秘、腹痛など原因を精査するために行う検査です。人肌程度に温めたジェルを腹部に塗り、専用の機器を当てることで腹部の異変がないか丁寧にチェックしていきます。検査にかかる時間の目安は20〜30分程度ですが、症状や状態によって時間がかかる場合もございます。
腹部CT
より総合的な精査・診断を行うために、腹部CT撮影を実施する場合もあります。腹部CTでは、診察やエコー検査では見つからない病変がないか確認し、的確な診断・治療へとつなげていきます。CT検査を受ける際の注意点は受診時に説明しますので、安心してご来院ください。
過敏性腸症候群の治療方法
薬物療法
過敏性腸症候群では、一人ひとりの症状に応じた薬物療法を行います。下痢や便秘などの症状を和らげる薬だけでなく、食物アレルギーが併発している場合は抗アレルギー薬、うつ症状がみられる場合は気分を安定させる薬を処方することがございます。
生活習慣の改善
過敏性腸症候群は、生活習慣を整えることで体調回復が期待できる病気です。暴飲暴食を避ける、睡眠や休息を意識的にとる、ストレスを溜めない、高脂肪や刺激の強い食事を控えるなど約束を守っていただくことが、特に大切です。当院の医師やスタッフとともに、生活習慣の改善を目指しましょう。