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2024.01.29

メトホルミンとは?薬の効果や使用時の注意など徹底解説

 

目次

メトホルミンとは?
メトホルミンは2型糖尿病に有効
2型糖尿病にメトホルミンが効くメカニズムは?
メトホルミンの使用方法
メトホルミンを服用するときの注意点
メトホルミンと飲み合わせの悪いもの

 

メトホルミンとは?

メトホルミンとは血糖値を下げる効果がある薬で、2型糖尿病と診断された方が最初に処方される治療薬の1つです。

心筋梗塞などの合併症リスクを抑えることや、体内でがん予防の働きをする酵素や細胞を活性化し、がんのリスクを低下させることなど、血糖値を下げる以外にも様々な効果があるとされています。

また、腸内環境に良い影響を与えるといわれ、便を通して体内の糖を排出して体重の減少を促す効果もあります。

 

メトホルミンは2型糖尿病に有効

2型糖尿病とは?

「2型糖尿病」は食生活や運動不足が影響し、中年期に発症することが多い糖尿病です。日本人の糖尿病患者の九割以上が2型糖尿病とされています。

2型糖尿病には、肥満があり血糖値を下げるホルモン「インスリン」が分泌されているが機能しない「インスリン抵抗性」タイプと、肥満がなくインスリンを作る力が弱い「インスリン分泌不全」タイプの二種類が存在します。

 

2型糖尿病にメトホルミンが効くメカニズムは?

メトホルミンは、肝臓で糖が作られるのを抑制し、筋肉に糖を取り込むことを促進します。そうすることで、上述した「インスリン抵抗性」「インスリン分泌不全」いずれかのタイプや体重に関わらず2型糖尿病に効果を発揮します。

 

メトホルミンの使用方法

1日2~3錠と少量から投与を開始し、食前か食後に服用します。一日の最大服用量は750~1500mgが一般的とされており、患者さんの年齢や状態、副作用の有無を見ながら調整していきます。

薬価は1錠10円程度と安価であることから、他の糖尿病治療薬との飲み合わせもしやすいといわれています。

 

メトホルミンを服用するときの注意点

幅広い効果が期待できるメトホルミンですが、服用する際にはいくつかの注意点があります。

 

腎臓の機能が低下している人は服用禁止

腎機能が低下している方は、まれに「乳酸アシドーシス」という重篤な副作用が起こるリスクがあるため服用が禁止されています。

「乳酸アシドーシス」とは血液中の乳酸が増えることにより、吐き気、腹痛、下痢などの胃腸症状や筋肉痛、倦怠感などが引き起こされる症状で、発症した場合は致死率が高い副作用です。

 

造影剤検査の前後2日間と検査当日は服用しない

「造影剤検査」とは、血管や内臓の様子をはっきりと映す薬剤を投与して行う検査です。

造影剤を使うことにより一時的に腎機能が低下する可能性があるため、前後2日間と検査当日の5日間は休薬する必要があります。

 

75歳以上の方は服用しない

75歳以上の方は脱水や内臓機能低下のリスクが比較的高く、それに伴い副作用のリスクも上昇するため服用しないことが一般的です。

 

食事ができないときは服用しない

食事ができないほど体調が優れないときは、前述の「乳酸アシドーシス」の発症リスクが上がるため、服用をお休みしましょう。軽い風邪症状のみで食事は通常通り摂れるという場合は、いつも通りに服用いただいて構いません。

 

お腹がゆるくなることも

副作用としてお腹がゆるくなる場合があります。服用を続けているうちに体が慣れて正常の状態に戻ることもありますが、気になる、日常に支障が出るなどの場合は主治医に相談してみましょう。

 

メトホルミンと飲み合わせの悪いもの

メトホルミンを服用する際、同時に服用する薬や食品の種類によって本来の効果を弱めてしまうことや、副作用を悪化させてしまうことがあります。他の薬と一緒に服用する場合は必ず確認しましょう。

 

乳酸アシドーシスのリスクが上昇するお薬

・ヨード造影剤
・腎毒性の強い抗生物質(ゲンタマイシンなど)
・利尿作用がある薬剤(利尿剤、SGLT2阻害剤など)

血糖を下げる効果が強まり低血糖を起こすおそれがあるお薬

・糖尿病用薬
・蛋白同化ホルモン剤
・サリチル酸剤
・β遮断剤
・モノアミン酸化酵素阻害剤

血糖を下げる効果が弱まるおそれがあるお薬

・アドレナリン
・副腎皮質ホルモン
・甲状腺ホルモン
・卵胞ホルモン
・利尿剤
・ピラジナミド
・イソニアジド
・ニコチン酸
・フェノチアジン系薬剤

メトホルミンの作用が強くなりすぎる可能性があるお薬

・シメチジン
・ドルテグラビル
・ビクテグラビル
・バンデタニブ

消化症状が現れる可能性があるお薬

・イメグリミン塩酸塩

飲み合わせの悪い食品

・アルコール

 

過度なアルコールの摂取は脱水症状や乳酸アシドーシスのリスクを高めるため、避けた方がよいでしょう。

 

まとめ

メトホルミンは血糖値を下げるだけでなく、様々な効能がある薬です。主治医と相談しながらご自分に合った服薬量を取り入れ、糖尿病の治療を進めていきましょう。

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