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2024.04.26

糖尿病患者さんが足を切断するのはなぜ?足壊疽の原因や予防方法まで詳しく解説

目次
糖尿病で足を切断するのは、珍しいことではありません
糖尿病患者さんが足を切断するのは、なぜ?
足を切断した患者さんの5年生存率は約4割
糖尿病を予防するには?
糖尿病患者さんが足の切断を防ぐには?

糖尿病で足を切断するのは、珍しいことではありません

糖尿病の合併症により足を失う方は、年間約三千人といわれています。これは靴文化の欧米と比べると少ない数ですが、糖尿病の重症化により足を失うリスクが存在することは事実です。大切な足を守るためには、血糖コントロールの他、日常生活での怪我予防や足のチェックを欠かさず行うことが重要とされています。

糖尿病患者さんが足を切断するのは、なぜ?

神経障害や血管障害などの糖尿病の合併症は、組織が腐敗してしまう「壊疽(えそ)」を招くことがあります。壊疽は一度起きると治すことが難しいため、足を切断せざるを得ない状況になる場合があります。

神経障害と足の関係

糖尿病によって引き起こされる神経障害は、足先から始まり上部に向かうことが多々あります。神経障害により感覚が鈍くなると、足の怪我や炎症に気付くことなく悪化が進み、壊疽に陥ることがあります。

血管障害と足の関係

糖尿病の合併症により動脈硬化症などの血管障害が起こると、体の隅々まで十分な血液が行き渡らなくなり、怪我や炎症が起きた時、治るのに時間がかかってしまいます。足の血管障害によって足先が血行不良になると、短時間で壊疽が進んでしまう場合があります。

糖尿病になると、感染症にもかかりやすい

糖尿病で高血糖の状態が続くと、毛細血管の血流が滞り、酸素や栄養不足により細胞や白血球が通常通りの働きをしなくなってしまいます。それによって感染症にかかりやすくなり、治癒にも時間がかかります。通常ならばすぐに治る傷が深刻な感染症を引き起こすこともあり、壊疽のリスクが高まります。

足を切断した患者さんの5年生存率は約4割

足を切断した患者さんは寝たきりになる場合が多く1年生存率は透析を受けている患者さんで約5割、5年生存率は約2割、透析を受けていない患者さんの場合5年で4割といわれています。

足の切断を予防するためには、足の異変の早期発見と早期治療が重要です。

糖尿病を予防するには?

糖尿病の予防には、以下の三つが大切です。

バランスの良い食生活

栄養に偏りのない食事を摂り、食べ過ぎにならないよう腹八分目を意識しましょう。食事の際には野菜や食物繊維から食べ始めることや、ゆっくりよく噛んで食べることも血糖値の急上昇を防ぐために効果的です。

適度な運動

日常的に軽いエクササイズを取り入れ、運動不足を予防しましょう。できるだけ階段を使う、一駅分歩くなど、毎日の生活に少しの工夫を加えると取り入れやすくなります。まとまった時間を取るのが難しい場合は、食後に数分間体を動かすだけでも、血糖値の急激な変化予防に効果的であるといわれています。

適正体重の維持

ご自分の身長から適正体重を割り出し、維持するよう心がけましょう。BMI25以上は「肥満」とされています。BMIは健康診断の結果で算出されていることもあるため、一度ご自身のBMIをチェックし、適正体重と照らし合わせてみましょう。

その他、ストレスや睡眠不足も糖尿病のリスクになり得ます。ご自分に合ったリラックス方法で息抜きできる時間を設け、規則正しい生活を心がけると良いでしょう。

糖尿病患者さんが足の切断を防ぐには?

足を失う原因になる壊疽は、足の小さな怪我がキッカケになることもあるため、怪我を予防することが大切です。ここでは日常的にできる予防法をご紹介していきます。なお、怪我をした際には応急処置をし、速やかに医療機関を受診しましょう。

靴下で足を保護する

屋内でも素足にならず靴下を履き、足を保護しましょう。通気性の良い綿などの素材で締め付けないものを着用し、怪我などの出血に気付きやすいよう白色を選ぶのがおすすめです。

サイズが合う靴を使用する

靴ズレを予防するため、初めて履く時は短い時間から始め、少しずつ慣らしながら使用しましょう。怪我予防のため、素足で履くサンダルや、つま先に負担がかかるヒールは避けると良いでしょう。

やけどに気を付ける

糖尿病により神経障害が起きると、熱さに気付きにくくなり、通常よりやけどを負いやすくなります。お風呂に入る時には必ず湯加減チェックをしてから入る、暖房器具を使う際は温度を低めにして利用するなど、やけどをしない工夫が大切です。

糖尿病で足を失わないために…毎日足をチェックすることが大切です。

糖尿病で足を失うケースは、その約8割が予防可能だといわれています。以下の手順で毎日ご自分の足をチェックし、怪我や異変がないかを確認しましょう。

1.靴下を脱ぎ、手で触って温度などを確かめる
2.観察し、皮膚の色や状態に変化がないかを確認する
3.足の爪や指の間など細かい部分を見ていく

何か普段と違うことを感じたときは、自己判断せず、すぐに病院で適切な処置を受けましょう。日々の怪我予防や足のチェックが、大切な足を守ることにつながります。

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